後藤を待ちながら のこと

不滅のテーマ『ゴドー待ち』

サミュエル・ベケットの戯曲『ゴドーを待ちながら』は二人の登場人物がただひたすら、会ったこともないゴドーという人物を待ち続けている物語。 その『ゴドー待ち』へのオマージュだと思って見ると更に面白い。

「会ったこともないゴドー」と「会ったこともない(自分達が知らなかった)後藤」



ぶっちゃけてもいいだろうか? 実は初めて見た時、私には賢太郎さんがわからなかった。てっきり客演の人だと。自分おーい! そのくらい「岡田」のキャラは私には強烈だった。前に賢太郎さんが

その役の人物ではなく『小林賢太郎』と見られてしまうのが嫌だ。

という主旨の話をしていたけれど、そういう意味で「岡田」は、私に対しては狙い通りの大成功だった訳だ。 賢太郎さんはどんなことを思いながらあのキャラ設定にしたんだろう。 私が知る限りでは、賢太郎さんが誇る多くのキャラの中でも「岡田タイプ」は唯一無二。 役者の引き出しを増やすためには人間観察をするといいと言っていたのを思い出す。モデルになった人物がいたのかな。


仁さんが演じる「長谷川さん」もキャラが強い。彼が自分の上司だと多分ちょっと辛いけど、距離を置ける立場だとあの頑張りがいじらしくも思える。 助けてあげたくもなる。でも直接自分にふりかかるとキツい・・・的なキャラを見事に演じきっている仁さんに、さすがだなぁ〜と思う。

折り紙リングを単体で輪っかにして持ってくる場面は人となりが滲み出ていて、もう切ない。決して悪い人ではない、むしろ純粋。 とてつもなく不器用で残念。考えなしにすぐ発言するし、万事こんな感じなんだろうな。自己肯定感が極端に高いのは彼にとっては救いなのかもしれない。 ちょっとだけ長谷川さんに味方してあげたくなる瞬間があることが、このコントの肝のようにも思う。


公演「ALICE」は、各コントそれぞれがワンダーランドのパーツ。
「後藤を待ちながら」には「イモムシ」とか「バニー部」みたいに明確なモチーフはないけど、これはやっぱり「お誕生日パーティー」ってことなのかな?


第15回公演:ALICE 後藤を待ちながら



▶︎ ALICE DVD




2022/12/01

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