コント「アトムより」のこと

「採集」で憔悴しきった心と身体に訪れる癒しのひととき。


第12回公演:ATOM アトムより




よく知る映画や雑誌、食べ物なんかも登場するし、公園では社会人野球かなんかやってるし、この日本のどこかで繰り広げられている平和な日常のひとコマだと思っていたらなんとなんと! ここだと思っていた「どこか」は「ああ、アトムだ」のひと言で、一瞬で別の時空へ。

そのあまりの秀逸さに感嘆した。
そして思った。


富樫君とノスに並んで、晴れた空に描かれた白い「線」を見上げたい。



このコントは同公演の「アトム」が前振りとしてあるからこそ更に、誰もがすんなりとその世界に入り込めるのだと思う。 ノスに台本を読ませるくだりは、そういう意味でも秀逸だ。 そしてパラレルワールドだからこそ、わかりやすく提唱できるメッセージも詰まっている。

ノスの言葉「何かあったのすかねえ・・・」は彼にとっては日常の何気ないひと言だけれど、実はとても重い。 アトムが空を飛ぶのはどんな時なのだろう。それが誰かにとっての「悪」と戦わなければならない時なのだとしたら・・・。 勝手な思いになるけれど、私はアトムにはそんな飛び方はして欲しくない。 富樫君の言葉通りの「気持ちいいんだろうなー」であって欲しい。

また、ノスが3千年計画を立てる。彼自身の計画は3秒で終幕したけれど、もしもそれだけの長い時が私達に許されるのなら、ノスがそれを試みたように、 世界をもっと俯瞰で捉えることが出来るのかもしれない。日々直面する問題の数々も、いずれ解決する些細なことに思えるのかもしれない。


ノスやアトムが暮らす富樫君の世界が、ノスやアトムがいない「ここ」の暮らしと何か違うのかというと、それほど何も違わないように見える。 科学が進歩し続けても、人の根本的な部分はさほど変わらないのかもしれない。
好きな仕事に打ち込み、休日は友達とゆっくり過ごす。一緒にビールを持って晴れた表へ出るついでに「ダイコンチュウテン」にも立ち寄る。 大切なのは自分の暮らしと身近な人達。例え比べる相手が皆んなの憧れ・永遠のヒーロー「アトム」だったとしても、富樫君にとってはやっぱり・・・。



ラーメンズ作品の中でも1、2位を争う大好きなコント「アトムより」
このWEBサイトのタイトルを『今日のアトム』にしたのも「アトムより」が好き過ぎるから。

この作品を愛する「ラ」の界隈では「アトム」という言葉が「飛行機雲」の隠語として使われることがある。 賢太郎さんも飛行機雲を見る度に「あ、アトムだ!」とか言っていたらいいのに〜。


▶︎ ATOM DVD




2022/12/01

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