時間電話 過去と未来とそして今

まず何と言っても、ビジュアルが美しい。

公演タイトル「椿」に相応しく、背景の壁は緑系・小道具などの挿し色は鮮やかな赤・二人の服装はオフホワイトでしかもスタイリッシュ。 色の美しさが際立つこの公演は、仁さんと賢太郎さん二人のビジュアルに至るまでが言葉では表現しきれないほどに美しい。



第8回公演:椿 時間電話




コント「時間電話」は、面白さの中に怖さも潜んでいるから、見る度に様々なことを考えずにはいられない。 今を消してしまうと世界は消えてなくなるのだろうか。それとも、今を消したという未来に飛ばされるのだろうか。 自分がこれから選択する「それ」によって、たった今無限に広がっていた未来はひとつに絞られる。 でもその未来の先にはまた無限の未来が広がっていて、何かを選ぶことで辿った軌跡がその人間の人生として残る。


また仁さんが演じた人物がそうであったように、自分の気持ちすらよくわからないうちに「他者によって」強制的に未来が決められてしまうこともある。 今を消すことで、もしかしたら自分の明日も一緒に消えてしまうのかもしれない。

「あれ」がどんなに重大な決定だったとしても賢太郎さん側はいい、自分で決めたことだから。 でもよくわからないままに流されてしまったことを、仁さん側としては悔やんでも悔みきれないのでは? これはそういう奥行きのあるコントだと思う。


少しだけ先の未来が見えた時、人の行動はどうなるのだろう。
見えてなお、変わらずにいられるのだろうか。


▶︎ 椿 DVD




2022/12/01

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