いろいろ


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2023年

2023/01/03(火)


サイトがリニューアルされるごとに「Staff voice」「staff notes」「スタッフからのお知らせ」「スタッフより」と 名称が変わったスタッフからのメッセージ。2018年以降はほぼ業務連絡の場になってしまったけれど、公式ホームページスタートの頃から 2014年頃までは特に、舞台裏や稽古場での様子など、楽しい情報をたくさん掲載してくれた本当にありがたいページだった。

KKPの「Sweet7」と「TAKEOFF ~ライト三兄弟~」のDVDには、初回限定盤に限りライナーノーツ的な冊子が付属されていた。 白黒ではあるけれど写真も複数掲載され、当時の現場の様子が生き生きと綴られたそれは、作品世界をより身近に感じさせてくれる頼もしい手引きでもあった。 公式サイトの「スタッフからのメッセージ」ページは、それにかなり近い役割を果たしてくれていたと思う。


しかも2014年頃まではその数は少なくとも、賢太郎さんもアップ画像に普通に写っていた。
『ノケモノノケモノ』の舞台ソデで登場するケモノを描く裏方な賢太郎さん画像とか、『ロールシャッハ』の終演後に 2012年バージョンのTシャツを着用した出演者4人で横並びしている画像とか、『SPOT』大千秋楽の 打ち上げの「MAZDAスタジアム」でのカープ・ユニフォーム姿の賢太郎さんの背中越し画像とか、イルカショーの「イルカにタッチ」コーナーで オレンヂさんと共にイルカと握手を交わした時の画像とか、『TAKEOFF』のパンフレット用の写真撮影時の画像とか・・・。

何きっかけでご自身のホームページにも露出しなくなったのかは存じ上げないのだけれど、私自身、自分の写真を撮るのもアップするのも とても抵抗があるので、賢太郎さんが「素」の自分を見られるのが嫌なんだったら、さみしいけど仕方ないなあとは思っていた。
だからカジャラ終演後の集合写真を、賢太郎さんご自身が「小林賢太郎より」にアップした時は、いったい何事??? と心底驚き、嬉しくてたまらなかった。


これから先は、そのお姿を拝める日はもう永遠に来ないのかな?

頭ではわかっているし状況も理解してはいても、やっぱりとても寂しい。どなたかがTwitterでつぶやかれていたのだけれど、 今後出版する書籍の作者紹介とかでもいいから「今の賢太郎さん」に会えないものかしら。 会えたらものすごく嬉しいんだけどなあ。今月下旬に発売予定の絵本「カキワリの劇場」にお写真が掲載されたらいいのに〜。


作品の中に生きている「過去」の賢太郎さんにはいつでも会いに行けるのに、それ自体ものすごく幸せなことなのに贅沢な話だ。 しかもご本人が表に出ないだけで、作品はこれからも届け続けてくれるというのに・・・こんな時、私は自分をものすごく欲張りだなあと思う。
そして、作品は勿論のこと、賢太郎さん自身に惚れ込んでいることに嫌というほど気づかされる。

だからこそ賢太郎さんは「本さん」に引き合わせてくれたのに。
それもちゃんとわかっているんだけど、何だろうね、この切なさと寂しさは。


よく「過去は変わらない、変えられるのは未来だけ」的なことを言われるし、その通りだとも思う。 自分ではどうしようもないことに立ち向かわなければならない時、私の場合それは「賢太郎さんのパフォーマー引退」なのだけれど、 この変えようのない現実に直面した時に、私には「思い出」が寄り添い助けてくれた。

前に進むために、時には何かの力を借りるのも悪くない。

もう賢太郎さんには会えないんだと悲嘆にくれる私にとって、パフォーマー「小林賢太郎」の思い出はとてつもなく大切でかけがえのないものだ。 過去の作品も、雑誌の記事も、旧ホームページの情報も、友人と交わした手紙も、公演チケットの半券も、そこにはその時々の賢太郎さんが生きている。

過去の公式サイトに掲載されていた「賢太郎さん」「スタッフ」からのメッセージも、これからの私にとってなくてはならない「絶対に失いたくない」ものに変化した。 引退がなければ、良くも悪くもここまで過去に執着していなかったのかもしれないけれど。


「これから」への期待も全力で応援したいと思う気持ちも、掛け値なしの本心だ。
でもその根底には「賢太郎さんのこれまでを何よりも愛してる」という揺るぎない事実がある。
そしてこれは、実はとても大切なことだと思っている。





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